ビタミンDサプリはガンや心臓病のリスクを下げないどころか腎機能を低下させるかも

ビタミンDサプリはガンや心臓病のリスクを下げないどころか腎機能を低下させるかも

ガンや心臓病のリスクを下げたり、骨粗鬆症を予防したり、最近ではインフルエンザの予防や花粉症にも効くなんて言われているビタミンDですが、どうやら体内で産生されるビタミンDとサプリメントで摂った場合のビタミンDは効果がかなり異なるようです。

むしろ別のリスクが高まる危険性もあるようです。

私も長いこと摂っていたのですが…

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ビタミンDサプリメントはガンや心臓病のリスクを下げない

アメリカ心臓協会の年次学会で11月10日に発表された報告によると、一日にビタミンDを2000IU摂ったグループとプラセボを摂取したグループで、ガンや心臓病のリスクに有意差は認められなかったとのこと。

これまでビタミンDは、骨を強化し肥満や糖尿病、心臓病や自己免疫疾患のリスクを低減するサプリメントとして重宝されてきたが、若干雲行きが怪しくなってきた。

Johns Hopkins School of Medicineで予防心臓病専門医であるErin Michos(論文の執筆者ではない)は、「この研究は、一般の人々が心血管やガンの予防にビタミンDが必要ないことを示している。これまでのところ、この結果は最も決定的なトライアルである」と発表。

ビタミンDの研究者たちの間では、血中のビタミンD濃度が低い人たちは、心臓発作、脳梗塞、心不全、および心房細動のリスクが高まるということに関して共通の認識を持っていた。

しかし、今回の研究はサプリメントによるビタミンDの追加の補充が心臓血管疾患を予防できるかどうかを具体的に調べるための初めてでかつ最大の無作為試験だった。

研究の内容

Brigham and Women’s Hospital および Harvard Medical Schoolの疫学者である JoAnn Mansonのグループは、アメリカに住む50歳以上の男性と55歳以上の女性、25,871人を対象に6年間追跡調査した。

参加者は比較的健康であり、心血管疾患やガンの病歴はなかった。さらに、このトライアルには5,106人の黒人参加者も含まれていた。

6年間の調査の間に、ビタミンDを一日2000UI摂取していた参加者のうち、396人が心臓発作または脳梗塞を患っていたか、または心血管疾患で亡くなっていた。一方で、プラセボを摂っていた参加者の心疾患イベントは409人。

ガンに関しては若干の違いがみられたものの、ビタミンDを服用している参加者のうち793人が乳がんや前立腺がん、結腸直腸がんを含む浸潤がんと診断されたのに対し、プラセボを摂取していた人は824人。

この報告が行われた2018年11月10日の記者会見で、この研究に関与していないオックスフォード大学の疫学者ジェーン・アーミテージ(Jane Armitage)は、次のように述べた。

このトライアルはとても規模が大きく、人種的多様性、男女のバランスがとれており、さらに参加者の取り組みも良好である。そのため、きちんとした量のビタミンDサプリメントであっても普遍的に補給することには価値がないという仮説を立証する良い試験であったことを私達は受け入れる必要がある。

骨の健康にも効果はなさそう

Erin Michosは、ビタミンDサプリメントは骨の健康を助けているようには見えないと話している。

11月1日にLancet Diabetes & Endocrinologyに公開された研究によると、ビタミンDが骨折または転倒を減少させるようなエビデンスはなく、骨の健康にはほとんど有益ではないという結果を報告している。

Michosは「ビタミンDレベルが低いことは、一般的には健康状態が悪いことの指標にはなるかもしれない」と話す。ただ「筋骨格の健康を維持または改善するためにビタミンDサプリメントを使用することはほとんど意味がない」とのこと。

マグネシウム濃度が低いとビタミンDサプリメントは効果がない?

2018年の2月にJournal of the American Osteopathic Associationに報告された論文によると、身体に十分なマグネシウムがないとビタミンDは代謝することができず、不活性のまま身体に残り続けてしまうことが報告されている。

論文では、アメリカ人の約50%が不活性のままビタミンDを体に貯め込んでいるのだとか。

問題となるのは、ビタミンDサプリメントを摂取することがカルシウムやリン酸塩のレベルを上昇させる可能性があるということ。しかも、例えビタミンD欠乏症が残っていたとしても、マグネシウムレベルが高くなければ血管石灰症になるリスクが高まるのだそう。

「十分なマグネシウムレベルを有している人であっても、十分なビタミンDレベルを達成させるためには、もっと少ない量で十分である。マグネシウムはまた骨粗鬆症を減らし、低レベルのビタミンDによって引き起こされる可能性がある骨折のリスク軽減に役立つかもしれない」と著者のRazzaqueは指摘する。

一方で、マグネシウムがあればビタミンDサプリメントの効果は十分に引き出せるという強いエビデンスはまだ存在しない。

ビタミンDサプリメントは腎不全を引き起こす?

私達人間は歳を取るにつれて、体内でビタミンDを産生する能力が徐々に悪くなる。

ビタミンDは、私たちの皮膚に存在するコレステロール分子が太陽光を得ることによって作られる。そしてそれがビタミンDの前駆体となる。私たちの体はその前駆体を肝臓や腎臓で活性化させなければならないが、歳を取るにつれてこのプロセスは遅くなる。

ビタミンDサプリメントによって、今私たちの振り子は反対側に振り回されそうになっている。以前、私たちはビタミンDレベルが非常に低いことを懸念していたが、今や反対側の極端な方向のリスクに直面している。真ん中のバランスを見つける必要がある。

ビタミンDはカルシウムとリンの吸収を促進させる。それが良いことだと思うかもしれないが、骨にカルシムとリンを届ける適切なホルモンが機能しない状況では、柔らかい組織にそれらが沈着し始める。これは転移性石灰化とよばれており、FDA(アメリカ食品医薬品局 (Food and Drug Administration))はビタミンDサプリメントが多すぎる場合にこれが引き起こされると警告している。

これらは本当に本当にビタミンDを摂りすぎている人だけに起こる。

下記の表はアメリカの国立衛生研究所(NIH:National Institutes of Health)のウェブサイトからまとめられたもの。参考にしていただきたい。

ビタミンDサプリメント
摂取量/日
摂取量によって得られる
一般的なビタミンD血中濃度
リスクと効果
10,000〜40,000IU 500~600nmol / L(200~240ng / mL) 毒性:あまりにも多量のカルシウムとリンが吸収される。軟組織石灰化。転移性石灰化、腎不全
10,000 IU /日〜6,000 IU 125~150nmol / L(50~60ng / mL) 上下にリストされているリスクの可能性
5,000IU 100-150 nmol / L(40-60 ng / mL)
125以上は公式には危険レベル
全原因死亡率の増加、膵臓のようないくつかの臓器で癌のリスク増大、心血管イベントのリスク増大、高齢者の転倒および骨折増加
4,000IU 以下 75-120nmol / L (30-48ng / mL) この範囲ではリスクはほとんどないが可能性は残る
400〜2000IU ≧50 nmol / L(≧20 ng / mL) 50 -75 nmol / Lは、人口の97.5%のニーズをカバーする完璧な血清レベル
30~50nmol / L(12~20ng / mL) 不適切なレベル
<30 nmol / L(<12 ng / mL) 不十分レベル。短命、幼児および子供のくる病、成人の骨軟化症、感染症に罹りやすい

まとめ

ビタミンDレベルが低すぎることは健康の様々な面においてよくない可能性が高いけれども、それをビタミンDサプリメントによって高めようとするのはリスクが高すぎるような気がしますね。

いやいやマグネシウムサプリをちゃんと摂ってれば大丈夫なはず!活性化ビタミンDサプリなら大丈夫なはず!

と思われる方の結果を見てからでも遅くはなさそう。それまでは安全なサーモンや木耳を食べて、積極的に外で遊んでればいいのではないでしょうか。

ちなみに私はもう止めてます。Mgも。

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Reference

[1]https://www.sciencenews.org/article/vitamin-d-supplements-do-not-prevent-heart-disease-or-cancer?fbclid=IwAR0Mob7pQSztohWIPiLxTjey0O5lUZzRZScICtzoCRWiz0JiIvRiWR7G7Ps
[2]http://www.abstractsonline.com/pp8/#!/4682/presentation/59399
[3]https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1809944
[4]https://www.thelancet.com/journals/landia/article/PIIS2213-8587(18)30265-1/fulltext#seccestitle10
[5]https://www.sciencedaily.com/releases/2018/02/180226122548.htm
[6]http://jaoa.org/article.aspx?articleid=2673882
[7]https://ods.od.nih.gov/factsheets/VitaminD-HealthProfessional/#en1
[8]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK56070/
[9]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16481635?dopt=Abstract
[10]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18689406?dopt=Abstract

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