糖質制限で耐糖能が落ちる本当の原因

糖質制限で耐糖能が落ちる本当の原因

糖質制限を継続すると耐糖能が落ちるという話があります。

私も実際に激下がりしました。復帰するのに数カ月を要しました。

これに対する糖質制限推進派の方々の反論は、脳に輸送するブドウ糖を優先するため、筋肉への取り込みを一時的に弱める生理的作用が原因だと説明します。生理的なインスリン抵抗性を生じているため、たまに炭水化物を摂取すると筋肉への取り込みが弱まっており高血糖が持続するのだという説です。

従って、このような作用は一時的なので実際に耐糖能が落ちているわけではなくしばらく糖質を摂り続ければ耐糖能は元に戻る、なので糖質制限は危険でもなんでもない、という説明に続きます。

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高脂肪食で膵臓機能が低下する

少し前に糖質制限から耐糖能が落ちるメカニズムについて下のような記事を書きました。

簡単にまとめると糖質制限ではエネルギー源として糖質を減らす代わりに脂肪を増やす必要があり、脂肪を増やすことが膵臓のβ細胞の機能低下を引き起こし結果的にインスリン抵抗性を生み耐糖能が落ちる原因になるという説です。

しかし、糖質制限で糖尿病レベルにまで耐糖能が落ちてしまった人もいれば、長年継続していても耐糖能が落ちない(と言っている)人がいるのも事実。そしてそれはこの記事に書いたような脂肪酸の摂取量だけでは説明がつかないような気もしていました。

糖質制限+ファスティングで運動するとどうなるか?

先日ファスティング中の運動は筋肉を分解しないという論文を紹介しました。

この論文の参加者たちは、糖質制限は行っておらず炭水化物50%程度の一般的な食事を行いながらのファスティングでした。

この記事を書きながらふと思いました。

糖質制限をしながらファスティングをして、さらにファスティング中に運動をしたらどうなるのだろう?

糖質を摂取した状態での15時間程度のファスティングは、筋グリコーゲンを枯渇するほどのものではありません。しかし、もし糖質制限をしながら、かつファスティングをしながら運動をしているとなると、筋グリコーゲンの枯渇は容易にあり得る話になります。

「筋グリコーゲンが枯渇した状態なら脂肪酸がどんどん燃えてくれるからいいじゃないか」

残念ながらそう単純な話ではありません。

脂肪酸化を抑制するホルモン

糖質制限では一般的にタンパク質の摂取量が増えます。糖質を減らした分、脂肪とタンパク質のエネルギー比率を高めましょうというのが基本です。

糖質制限でインスリン分泌を抑制して膵臓への負荷を抑えようと思っている人はいまだに多いのですが、実際にはタンパク質でも糖質と同等レベルにインスリンが分泌されます。

血糖値は上がりません。でもインスリンはたっぷり分泌されているんです。

じゃあ血糖値が駄々下がりになるはずじゃないか!という意見もでそうですが、そこはきちんとアクセルとブレーキが機能しています。

つまりは、糖質制限でも膵臓はこれっぽっちも休んでないわけですが、残念ながら某医師の「インスリンは猛毒」という言葉を信じて、いまだに膵臓を温存していると信じている人はたくさんいるというのが現状のようです。

ところで、インスリンにはグルコースを細胞に取り込む作用以外にも重要な働きがたくさんあります。

その一つが、脂質代謝を強力に抑制するという働きです。

インスリンは同化ホルモンであり、同化中は異化を抑制します。そのため、インスリン分泌中は異化が強力に抑制されるというわけです。

インスリンは決して脂肪を作るだけの厄介者のホルモンではありません。

筋肉がカタボる条件が整った

さて、本題に戻ります。

糖質制限とファスティングを同時進行している段階で筋グリコーゲンの枯渇が起こり得ますが、脂肪さえあればエネルギー源として使用することができます。

しかし食後(糖質制限食)だったり、あるいはプロテインを摂取したあとだったり、つまりインスリンが分泌されたあとの運動だと話は変わってきます。

先に述べたようにインスリンは強烈に脂肪酸化を抑制する働きがあるので、脂肪をエネルギー源として使用できなくなることを意味します。

筋グリコーゲンは枯渇、インスリンにより脂肪酸化は抑制、となると残るエネルギー源はタンパク質のみとなります。

食餌性のタンパク質を全てエネルギーに変えたとしても、30分のウォーキングをするだけでも、50g以上のタンパク質摂取が必要となります。もちろん摂取した全てのタンパク質がエネルギーに代わるわけではないので、足りない分は筋タンパク質が分解されてエネルギーに変えられていくことになります。

つまりカタボるプロセスです。

さて、ここまでくれば糖質制限で耐糖能が落ちる人とそうでない人の違いが見えてきます。

糖質制限で一日一食やファステイングを取り入れながら運動をする人、あるいは単に糖質制限をしながら運動をたくさんする人が、筋肉がカタボって糖の取り込み量が少なくなり耐糖能が落ちるというメカニズムです。

ファスティングをするしないはもはや関係ありません。

むしろ三食とも断糖レベルの糖質制限食摂ってる方が常にインスリンが出っぱなしなので、脂肪なんて使う余裕がありません。長期の筋グリコーゲンの枯渇+インスリン+運動で十分カタボります。

逆に活動量が少ない人ほど、カタボることも少なく耐糖能が落ちる実感がないのでしょう。

ああ、なるほど。

よく考えてみれば、「糖質制限で耐糖能は落ちない」と自信たっぷりに言ってる人ほど「ダイエットに運動する必要はありません」って言ってる人が大多数なんですね。おそらく本人も普段たいして運動してないからそういうこと言うんでしょう。

誰とは言いませんけど(笑)

ちなみに、普段タンパク質をエネルギー源にしているかどうかは、タンパク質摂取後に血糖値が上昇するかどうかである程度は判断できるのではないかと思います。

タンパク質だけで血糖値が上がる人は同化アクセルが弱まっており普段からカタボっている可能性が高いと言えるような気がします。

知りませんけど(笑)

まとめ

まあ、私は専門家ではないので代謝のことはよく分かりませんけど、長期の糖質制限+運動が筋肉をカタボらせて耐糖能を低下させることは十分あり得るでしょう。パンを食べて昏睡状態に陥ったGACKTもめっちゃ運動してましたしね。

そして筋肉が落ちたところに「エネルギー補充」なんつって脂肪を投入すれば、めでたく日本人型糖尿病の条件がそろってしまいます。

逆に言えば、糖質制限で耐糖能を落とさないようにするためには、あまり運動しないようにしなきゃいけない。

「運動なしで痩せる糖質制限ダイエット」という謳い文句は、「糖質制限ダイエットは運動厳禁」と言い改めるべきじゃないでしょうか。

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