炭水化物は三食に分けて食べる方が痩せるのか?

炭水化物は三食に分けて食べる方が痩せるのか?

糖質制限の流行に伴って、体脂肪の原因はすべて糖質!と言い切っちゃう医療関係者も現れている昨今。

そんな強いバイアスがかかってしまっているせいか、糖質制限を止めて普通の食事に戻した人でもやはり過剰な糖質は身体に良くないという考えが残ってしまっているようです。

今回紹介する論文は、そんな考えを一変させる研究かもしれません。

同じ量の炭水化物であっても一日の中で分散して食べる方が痩せるのか、夜にまとめて食べる方が痩せるのかを調べた研究です。

一日の分の炭水化物を一食でまとめて摂る?しかも夜?

糖質制限を支持していない人からも「そんなの痩せるわけがない!」という声が聞こえてきそうです。

果たしてどうだったのでしょうか?

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炭水化物は分けて食べる方が痩せる?夜にまとめて食べる方が痩せる?

2011年に雑誌Obesityに掲載された、いかにもな疑問から始まった研究。

イスラエルの25-55歳のBMIが30以上の男女警察官78人を対象に6ヵ月間のランダム化比較試験を行いました。

被験者は無作為に二つのグループに分けられ、実験グループは標準的な低カロリー食(1300~1500kcal : タンパク質20%、脂肪30-35%、炭水化物45-50%)で、炭水化物は夜だけに振舞われました

一方、対照グループは食事内容は全く同じで、炭水化物は一日を通して満遍なく振舞われました

被験者は7日目、90日目、180日目に血液サンプルを採取し、参加者は食事の4時間ごとに空腹感尺度であるH-SSを記入しました。

文字が細かいですが、実際の食事内容はこんな感じ。午前と午後にスナックタイムがあります。

結果どうなったか?

体重と体脂肪率

6か月後の段階で参加者の身体測定結果は以下のようになりました。

どちらのグループでも体重は減りました。

が、実験グループが平均11.6kg体重を減らしたのに対し、対照グループは9.09㎏。

体脂肪率はというと、実験グループが7%落としたのに対し、対照グループは5%どまり。

実験開始前との割合でみても、実験グループの18%低下に対し、対照グループは14.1%。

なんとなんと、夜だけ炭水化物を食べた方がガッツリ痩せちゃったという結果。

H-SSはどうだったか?

H-SSとは、先ほども少し触れましたが空腹感の尺度。一般的にはH-SSが高いほど被験者は空腹感が少なく満腹感が持続したことを示しています。

つまりH-SSが高いことはダイエット中の暴飲暴食のリスクが少なかったということ。

実験を始めてから90日後の段階では、実験グループがわずかに高い値を示しましたが、180日後には実験グループが対照グループより28%も高くなっていることが明らかになりました。

時間別のH-SSを見てみると、実験グループの90日後は、午前中は低いものの昼食後から高くなり、夜になってまた落ちてくるという傾向を示しましたが、180日後になると低くなるのはお昼前だけであとは常に高い値をキープできるようになっていることを示しています。

すなわち、ダイエットが辛くなるどころか、どんどん楽になってきていることを示しています。

一方、対照グループは90日から180日と日が経つにつれて徐々にH-SSが低下してきていることが分かります。こちらは徐々にダイエットがしんどくなってくる、空腹感を我慢する時間が長くなってきていることを示しています。

ホルモンの変化

レプチンは脂肪細胞によって作り出される満腹ホルモン。脳に満腹感を伝えるホルモンであり、この分泌が弱い人ほど過食してしまいがちであることが分かっています。

実験グループ(黒)と対照グループ(白)の90日後と180日後のレプチン濃度を比較したものが以下のグラフ。

実験初日に比べ、どちらのグループでも90日後180日後はレプチン濃度が下がっていることが確認されました。

しかしその下がり幅を比較してみると、180日後の実験グループで20.6%、対照グループでは26.2%低下していることが分かりました。すなわち、実験グループの方が下がり幅が小さく、適切に過食を抑制できたということが窺えます。

もう一つ、アディポネクチンについても調べられています。

アディポネクチンとは通称痩せホルモンと言われていて、脂肪燃焼促すだけなく生活習慣病の予防に役立つ可能性があるとも言われています。

実験開始後、どちらのグループもアディポネクチンが増加していますが、実験グループ(黒)が大幅に増加していることが分かります。

その他、空腹時インスリンや、血糖値、CRP、TNF-α、インターロイキン6などの炎症性タンパク質の濃度も実験グループの方が対照グループよりも減少していることが確認されました。

著者らの考察では、以下のように書かれています。

我々の調査結果は、主に夕食時に炭水化物を摂取すると標準対象食と比較してアディポネクチンレベルが上昇し、インスリン抵抗性、メタボリックシンドロームプロファイル、および炎症状態の改善につながることを示している。

とにかく、夜の炭水化物の割合を増やすことは、空腹感も少なくしっかり痩せて良いホルモンもしっかり出る!

まとめ

同じカロリーの食事であっても、夜だけ炭水化物を摂る食事の方が

  1. 体脂肪率の減少量は多くなる
  2. 空腹感、過食欲が少なくダイエットを楽に実行することができる
  3. 痩せることに繋がるホルモンの分泌が改善する
  4. 炎症状態が改善する

ことが分かりました。

この比較的単純な食事療法のアプローチが満腹感を高め、より優れた身体測定結果をもたらし、そして一般的な食事療法のアプローチと比較して改善された代謝反応を達成するメカニズムを確認し、明確にするためのさらなる研究が必要である。

ところで、糖質制限で最初に勧められるのは「まずは夜ご飯をおかずだけにしてみる」みたいに、夜だけ糖質制限いわゆる「プチ糖質制限」。しかし、今回の研究はこれとは全く逆の夜だけ炭水化物。

実際には糖質制限もしていないうえに、三食炭水化物を摂るより空腹感も感じにくいのであれば、ダイエットのアプローチとしてなかなか有効な方法と言えるのではないでしょうか。

先に紹介した朝は少なめで夜多めの食事だと筋肉が燃焼せずに脂肪だけが燃焼しやすいという論文とも繋がりるような気がしますね。

夜に炭水化物を多く摂ることで寝ている間の代謝がより促進したのかもしれません。ちなみに今回の研究でも食事の総エネルギーは制限されていますから、食べ放題というわけではないことは注意。

また、メラトニンが分泌された後の食事では脂肪に変わりやすいことが知られていますので、夜多めと言ってもあまり遅くなり過ぎない方が良いでしょう。

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Reference

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1038/oby.2011.48

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