入院している高齢者の筋肉不足を解消するための効果的なタンパク質摂取法

入院している高齢者の筋肉不足を解消するための効果的なタンパク質摂取法

高齢者のプロテイン摂取

タンパク質の同化作用を高める摂取法については、これまでに様々な研究が行われてきました。

特に高齢者の筋肉不足は重大な問題を引き起こす可能性があり、高齢者のタンパク質の摂取法については様々な研究があります。

今回紹介する論文は、栄養失調やそのリスクを抱える高齢者を対象にした研究です。

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一食にまとめて摂取するのと分けて摂取するのではどちらが良い?

パリ大学のグループが2013年に報告した研究を紹介します。

リハビリテーション病棟に入院している66人の栄養失調またはそのリスクのある高齢者を対象に6週間の前向きランダム化比較試験を行いました。

参加者の平均年齢は85歳。参加者のBMIは22より低く、筋トレなどの運動は行っていませんでした。

参加者には体重1kgあたり、1.5gのタンパク質が与えられました。

対照群は一日4回の食事に均等に与えられ(Spreadグループ)、もう一つの実験群にはお昼の食事の時に一日の摂取量の72%が与えられました(Pulseグループ)。

実際の食事内容は以下の通り。

結果

6週間後、Spread groupとPulse groupそれぞれで除脂肪体重と筋肉量を比較しました。

その結果、4食均等にタンパク質を摂取したSpreadグループでは、除脂肪体重が平均して0.41㎏減少してしまいました。一方の昼食にまとめてタンパク質を摂ったPulse グループでは0.91㎏増加。

脂肪量についてはSpread グループが平均0.04㎏の増加であったのに対し、Pulseグループでは0.32㎏の減少。

実験前と実験後の除脂肪体重を比較したグラフを見ると、Pulseグループの参加者達が良い結果を出したことをよく理解することができます。

この図の対角線より上にあれば6週間後に除脂肪体重が増えたことを示します。

●はPulseグループの参加者の結果を示していて、Spreadグループの○よりも多くの参加者が対角線より上に存在していることが分かります。

一方、Spreadグループでは下に位置する参加者がかなり多いですね。

ただし、両者の筋力への影響に違いはなかったとのこと。

研究者らのまとめです。

This study demonstrates for the first time that protein pulse feeding has a positive, clinically relevant effect on lean mass in malnourished and at-risk hospitalized elderly patients.

この研究は、栄養失調やそのリスクを抱える高齢者の除脂肪体重において、タンパク質のパルス型摂取法が臨床的かつポジティブに関連性のある効果を初めて論証している。

まとめ

栄養失調やそのリスクのある高齢者の場合、タンパク質は毎食均等に摂取するよりは昼食にまとめて摂る方が同化作用が高まる。

この結果は前回紹介したこちらの論文とも少し繋がる気がしますね。

身体がいつでもタンパク質が入ってくるという安心感を覚えてしまうと、逆に同化をサボってしまうというような反応に見えてきます。身体が欲している状態を作っておいて、そこにドーンとタンパク質を放りこむと同化が高まるという感じ。また高齢女性においてもこのようにPulse的に摂取する方が、同化が高まるという結果も報告されていています。

このようなタンパク質の摂取法は、例えばリーンゲインズなどのファスティングを利用した筋トレにも繋がるところがありますね。

しかし、Pulse型のタンパク質摂取が有効なのは高齢者だけであって、若い女性には効果がないという報告もあります。

今のところはタンパク質摂取の最適なタイミングは年齢によって異なると考えておいた方がよさそうです。

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Reference

[1]https://www.clinicalnutritionjournal.com/action/showFullTextImages?pii=S0261-5614%2812%2900182-3
[2]https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1525861013003265
[3]https://academic.oup.com/jn/article/130/7/1700/4686246

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