間欠的ファスティングには、ダイエット効果やインスリン抵抗性の改善だけなく、スローエイジング、ミトコンドリアの機能改善、脳の機能向上、レプチン抵抗性の改善、グレリンの正常化など、様々なホルモンを正常化する効果や若返りの効果があります。

しかし一方で、長期のファスティングは身体にとってストレスでもあるので、長ければ長いほど良いというものでもありません。

身体が受けるストレスをできるだけ少なくし、同時にファスティングの効果を最大限に引き出すには、どれくらいのファスティング時間が最も効率的なのでしょうか?

 

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インスリンの脂肪燃焼抑制効果

インスリンと脂肪燃焼効果

インスリンは脂肪を蓄える働きだけでなく、脂肪の燃焼を強烈に抑制する効果や、オートファジーを抑制する効果もあります。

そのためファスティングで脂肪を効果的に燃焼させるには、インスリン抵抗性を改善しインスリンの分泌量をできる限り少なくする必要があります。

 

下記のグラフは、Dr. Jeff VolekのLaw-Carbohydrate Diets Promote a More Favorable Bady Composition Than Low-Fat Dietsに記載されているインスリンと脂肪燃焼効果に関するグラフです。

インスリンと脂肪燃焼の関係

横軸は血中インスリン濃度、縦軸は脂肪分解率を示します。

正常な血中インスリン濃度は日本では2-10μU/mLであり、これをグラフで用いられている単位pmol/Lに変換すると14-70pmol/Lとなります。

おおよそ、グラフの水色で示されたNormal Rangeの範囲に相当します。

注目すべきことは、血中インスリン濃度がNormal Rangeの範囲にあっても、インスリン濃度が僅かに上昇(40pmol/L(5.8μU/mL)以上)するだけで脂肪燃焼効果が著しく低下することです。

したがって、脂肪燃焼効果を最大限に引き出すには、血中インスリン濃度を40pmol/L以下に低下させることが重要であると言えます。

インスリンを上昇させるのは全ての食事

インスリンは純粋な脂肪以外の全ての食品によって分泌されます。

したがって、食事の回数を増やせば増やすほど、血中のインスリン濃度は高い値が維持され、脂肪燃焼は起こりにくくなります。

反対に、食事をしない時間(ファスティング時間)を長くすれば長くするほど、インスリンレベルは低くなり、脂肪燃焼効果は高くなります。

では、実際に何時間のファスティングを行えば、インスリンレベルは脂肪燃焼効果の高いレベルにまで下がるのでしょうか??

 

ファスティング時間とインスリンレベルの関係

Klein Sらの研究によれば、ファスティングによるインスリンレベル低下及び、脂肪分解が最も顕著に起こるのは、18時間から24時間の間であることを示唆しています。

実験

実験は健康な若い男性6人で行われ、ファスティング中の12, 18, 24, 30, 42, 54, 72時間後の脂質とグルコース代謝、及び血中インスリンの変化を調べました。

結果

グリセロールとパルミチン酸の血中出現率(Ra)mumol.kg-1 x min-1

グリセロール パルミチン酸
12時間後 2.08 1.63
72時間後 4.36 3.26

脂肪酸の出現の60%は最初の24時間の間に生じた。最大の変化は18時間から24時間の間に生じた。

グルコースの血中出現率(Ra)mumol.kg-1 x min-1と血漿濃度mmol/l

Ra 血漿濃度
12時間後 11.0 5.58
72時間後 8.3 4.14

断食後18時間から24時間の間に有意な変化は生じなかった。

血中インスリン濃度pmol/l

インスリン濃度pmol/L
12時間後 64.6
72時間後 30.1

12時間から72時間の間に約50%減少した。

最初の24時間の間に全減少の70%が減少した。

考察

血中インスリン濃度の変化を表したグラフが下のグラフです。

ファスティングの最も効果のでるところ

最初に示したVolekのグラフをみると、plasma Insurinが40pmol/L以下になると脂肪分解の勢いが増すことが示されています。

この実験から分かることは、18時間から24時間のファスティングにおいて、急速にインスリンレベルが下がり、同時に脂肪燃焼効果を高めることが示されています。

一方、40時間以上のファスティングでは、インスリンレベルはほとんど基底状態にあり、それ以上のファスティングによって脂肪燃焼の効率が高まらないことを示唆しています(脂肪が燃焼しないわけではない)。

できるだけ効果的に、且つできるだけ空腹間を我慢せず(ストレスレス)にファスティングを行うには18時間から24時間程度のファスティングを間欠的に行うことが最も効率が良いと判断されます。

 

またファスティング時間を午後に持ってくるようにすればさらに効果が高まることが予想されます。

さらに、ファスティング前の食事をできるだけ低FII(フードインスリン指数)食品にすれば、インスリンの低下もより早まることが予想されます。

 

まとめ

  • 血中インスリンレベルが40pmol/L(5.8μU/mL)以上になると脂肪分解率が急激に下がる
  • 食事をするとインスリンレベルが高くなるので、ファスティングによってインスリンレベルを下げる
  • 18時間から24時間のファスティングが最も脂肪燃焼効率が良い
  • それ以上の長期ファスティングを行っても燃焼効率は大きく変わらない

注意)この結果は直前の食事と個人差に大きく依存します。18時間以上でなければファスティングの効果が出ないことを示すものではありません。

 

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Reference