夜遅い食事はやっぱり太る

2017年9月6日にThe American Journal of Clinical Nutrition (AJCN)に掲載された研究では、体脂肪と体格指数(BMI)と、夜遅い食事及びメラトニンの概日リズムとの関連を報告しています。

このような食事のタイミングと睡眠の開始を示すメラトニンの出現タイミングが肥満と関連しているとする研究は世界で初めてです。

 

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研究内容

研究目的

  • 体内時計と概日リズム、食物摂取量、体組成の関係を調べること。

研究デザイン

  • 18歳から22歳までの110人の参加者に対して30日間の横断研究を行った。
  • 参加者にはタイムスタンプ付きの携帯電話アプリケーションを使用させ、日常的な連続した7日間の食べ物を全て記録させた。
  • 実験室での調査は、各参加者の体組成とメラトニンの放出時間を評価した。

結果

  • 体脂肪の高い人は、1日に消費する全カロリーの中点が、体脂肪の低い人より遅い時間に訪れ、メラトニン放出の開始時間に約1時間近づいていた。
  • メラトニン放出時間に高脂肪率の人と低脂肪率の人の間で違いはみられなかった。
  • 食物消費の(時計)時間には、高脂肪率と低脂肪率の参加者で有意差はなかった。
  • メラトニン出現後に食物摂取をすることは、体脂肪及びBMIを有意に上昇させることが分かった。
  • 食物摂取の時間、カロリー量、食事の栄養組成、活動または運動レベル、睡眠時間については、体脂肪及びBMIとの間に何の関係も見出されなかった。

結論

これらの結果は、食物摂取量やPFC組成、日中の活動量などの一般的に危険因子として指摘される要因とは無関係に、概日リズムとしての夜間(メラトニン出現後)の食物摂取が、体の組成を構成する重要な役割を果たしているという証拠を提供する。

 

考察

筆頭著者のAndrew W. McHill博士(the Division of Sleep and Circadian Disorders at BWH)は、

「人の生物学的な夜を示すメラトニンの出現後の食事は体脂肪とBMIの上昇と相関があり、日中の食事量、PFC組成には関係しないことを見出した。これらの知見は、自分自身の生物学的タイミングと照らし合わせて、健康にとって、日中の時間よりもカロリーを消費する時間がより重要であることを示唆している」

と話しています。

研究者たちは、今回の結果が大学生の生活リズムが一般の人達の生活リズムとは異なっている可能性があるため、制限された結果であることは認めつつも、日中の食事よりも夜間の食事が体には取り込まれやすいということ示す証拠だと結論付けています。

メラトニンは何時に出現するのか?

メラトニンの概日リズムは文献によって多少差があるものの、夜8時くらいから放出が始まり、夜中にピークを迎え、午前8時頃に減少するというのが一般的な傾向です。

したがって、夜8時以降の食事は代謝には使われず貯蔵に回される方が多くなる、ということになります。

この研究では、朝と昼にどんなにカロリーを控えたり、糖質を控えたとしても、夜遅くに食事をしてしまうことが体の脂肪量の大部分を決定してしまうと報告しています。

すなわち、例えば夜寝る直前の食事はほとんど脂肪蓄積に回されている可能性が高くなると言えます。

ただし、この研究では大学生が被験者であることを考慮しておく必要があります。

 

メラトニンの出現後の食事がどのような機序によって脂肪蓄積に変えられていくのかについてはまだ明らかにされていませんが、メラトニンが何らかのスイッチ機能を担っているとすると、体内で自然に放出されるメラトニンだけでなく、サプリメントのメラトニンも飲むタイミングに注意が必要になってきます。

 

いずれにせよ昔から言われていた「夜食べると太りやすい」という周知な事実のメカニズムが、少しずつ明らかになりつつあるようです。

 

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Reference