コーヒーで死亡率が下がるのは一日何杯まで?

コーヒーで死亡率が下がるのは一日何杯まで?

コーヒーは飲めば飲むほど死亡率が下がる

コーヒーに関する様々な報告によると、世界中の地域において民族・人種に関係なく2型糖尿病、心血管疾患、ある種のガンの罹患率、死亡率と逆相関関係があることが分かっています。[1]

ではコーヒーは一日にどれくらいまで飲んでいいのでしょうか?

2杯まで?3杯以上でもOK?

これまでの研究では一日に5杯以上のコーヒーを飲む人や、カフェイン代謝が弱い人たちについてはどうなのかというところがはっきりしていませんでした。

2018年7月にJAMA Internal Medicineに報告された論文はこの辺りをはっきりさせようという目的で行われたコホート研究です。[2]

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研究の概要

被験者は498,134人。参加者の平均年齢は57歳(38歳~73歳)で、女性は271,019人(妊娠女性は含まれない)。

コーヒーを日常的に飲む人は387,494人(78%)でした。

2006年から2016年までの10年間のフォローアップ期間中に死亡したのは14,225人。

調査の結果、コーヒーの摂取は全死亡率と逆相関、つまり摂取してる人は死亡率が下がるという結果だったそうです。

コーヒーの摂取量とはどのような関係があったのか?

ここで研究者らは、コーヒーの摂取量を1日1杯、2-3杯、4-5杯、6-7杯、8杯以上の6つのグループに分け、死亡率のハザード比を比較しました。

ハザード比とは、リスクに対する割合のことを言います。

例えばAという既存の薬とBという新薬の死亡率を比較する場合、ハザード比が0.90という結果だったとすると、B薬はA薬よりリスクを10%減らしたという意味になります。

今回の調査からコーヒーを全く飲まない人と摂取量による死亡率のハザード比を比べると、1日1杯が0.94(95%CI、0.88-1.01)、2-3杯が0.92(95%CI、0.83-0.93)、4-5杯が0.88(95%CI、0.83-0.93)、6-7杯が0.88(95%CI、0.77-0.92)、8杯以上が0.84(95%CI、0.77-0.95)という結果だったそう。

つまり、1日4杯以上飲む人は全く飲まない人に比べて死亡率が12-14%も低下するという結果

また、インスタントでも豆から挽いたものでもデカフェコーヒーでも同じような結果が得られたとのこと。

4杯でも5杯でもコーヒーが好きな人はどんどん飲んじゃえという結論です(笑)

カフェイン代謝が弱いとはどういうことか?

この研究のユニークな点は、カフェイン代謝が弱い人たちについても調べたところ。

カフェインを代謝する酵素はシンクロトムP450 (CYP1A2)とよばれる酵素で、肝臓でカフェインを解毒する際には、この酵素の働きが重要になります。[3]

人によってカフェインの代謝が得意な人と苦手な人がいて、ある程度は遺伝によって決まっているようです。お酒と同じで同じ量を摂取してもカフェイン中毒症になる人とならない人がいます。[4]

ただ、ある双子の研究によればコーヒーの摂取量がこの遺伝子を高めるという報告もあります。[5]

ちなみに、このような遺伝子をたくさん持つ人がカフェイン摂取後のエルゴジェニック効果を得ることができるともいわれています(エルゴジェニック効果とは、普段のパフォーマンスよりも高められる効果のこと。ルフィのギアセカンドのような)。

カフェイン代謝に影響する遺伝子を考慮するとどうなるのか?

それで、研究者たちは被験者の遺伝子プロファイルを元に、カフェイン代謝が弱い人たちに対してはどのような傾向を示すのか調べたところ、やはりコーヒーを多く飲む人は死亡率が低くなるということが分かったのだそう。

この結果が何を示しているのかというと、①コーヒーに含まれる成分の中でカフェインを除いた成分が死亡率低下に寄与している②コーヒーのメリットはカフェイン代謝を上回るのだろうということです。

ハーバード公衆衛生学校の栄養研究者、ウォルター・ウィレット(Walter Willett)は、これらの結果に対しコーヒーに含まれるリグナン、キニデド、マグネシウムが炎症反応を鎮めたりインスリン抵抗性を改善したりするのに役立っているのではないかと述べています。

また、スタンフォード予防研究センターで栄養研究を行っているクリストファーガードナー氏は、ポリフェノール様の抗酸化物質が健康に寄与していると自身の論文で結論付けています。[r]

今回の結果はこうした過去のデータを支持するものでもあり、コーヒーのメリットを得る上ではデカフェであってもカフェイン代謝が弱くても十分に効果を期待することができると考えることができます。

まとめ

カフェイン論争は昔から繰り広げられてきましたが、コーヒーに関してはその悪影響を超える効果がある可能性が示されたと言えます。

私も酒はやめろと言われればいつでもやめれますが、コーヒーをやめろと言われるとかなり辛いのでこの結果は非常に嬉しい笑

ところで、カフェインが良いか悪いかという話になるとよく副腎疲労の話が取り上げられます。

副腎が弱っている人はコルチゾールが足りないから朝が弱くカフェインで刺激して分泌させる。それによってますます副腎が弱っていくから、副腎疲労の人はカフェインは摂らない方が良い、という感じの話だったと思います。

Googleで「副腎疲労」と調べると私の場合は下のような検索結果になります。

ところが英語で「adrenal fatigue」と調べると、本は一切紹介されずMayo ClinicやWebMDなどの大手医療サイトだけがトップに引っ掛かります。そしてその内容は「副腎疲労は医学的に認められた症状ではない」というものです。

現在のところ副腎疲労に関しては日本とアメリカで大きな認識の違いがあります。

Mayo Clinicのサイトによれば、副腎機能不全の場合は血液検査などによって診断することができるが、ストレスによる副腎機能の低下を検出できるほど敏感なものではないとのこと。[3]

Mayo Clinicのコメントを引用して終わります。

It’s frustrating to have persistent symptoms your doctor can’t readily explain. But accepting a medically unrecognized diagnosis from an unqualified practitioner could be worse.

自分の担当ドクターが説明できないようなしつこい症状を持ち続けることは非常にストレスだろう。しかし、資格のない施術士から医学的に認識されていない診断を受け入れることはさらに悪い事態になりうる。

私も6-7年前は副腎疲労の症状ドンピシャだったわけですが、どんなに本を読んで頭で理解してもコーヒーだけはやめることができずずっと飲み続けてきました。紆余曲折あって(笑)今では副腎疲労的な症状は全くなくピンピンしてますから、コーヒーで副腎がいっちゃうというのは違うような気がしてます。(あくまで個人の感想です)

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Reference

[1]http://annals.org/aim/article-abstract/2643433/association-coffee-consumption-total-cause-specific-mortality-among-nonwhite-populations
[2]https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2686145
[3]https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%88%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%A0P450
[4]https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%B3%E4%B8%AD%E6%AF%92
[5]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4242593/

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