フリーウェイトトレーニングとマシーントレーニングではどちらがより多くの成長ホルモンを産生するか?

フリーウェイトトレーニングとマシーントレーニングではどちらがより多くの成長ホルモンを産生するか?

フリーウェイトトレーニングとマシーントレーニング

フリーウェイトトレーニングとはダンベルやバーベルなどを使って筋トレを行う方法。

マシーントレーニングとはマシーンを使って筋トレを行う方法。

フリーウェイトトレーニングでは自分でバランスを取りながら正しいフォームで行う必要があり、誤ったフォームでは効果が出にくい怪我をしやすいなどのデメリットもあります。

一方、マシーントレーニングでは軌道が決められているため、初心者でもあまりフォームを気にする必要がなく目的の筋肉を追い詰めることが可能です。また怪我をしにくいというメリットもあります。

このような筋トレの後、筋肉を増強させるためには成長ホルモンやテストステロンなどの同化ホルモンがしっかり分泌されることが重要です。これらの同化ホルモンによって同化(アナボリック)が亢進し筋肉が増強していきます(逆は異化(カタボリック))。

では、フリーウェイトトレーニングとマシーントレーニングではどちらの方が成長ホルモンを多く産生できるのでしょうか?

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スクワットとレッグプレスではどちらが成長ホルモンが産生されるのか?

今回紹介するのはノーステキサス大学の研究グループが2014年のJournal of Strength and Conditioning Researchに報告した論文「The Acute Hormonal Response to Free Weight and Machine Weight Resistance Exercise」。[1]

健康な男性10人(21-31歳:平均25歳)を対象に、スクワット(フリーウェイトトレーニング)とレッグプレス(マシーントレーニング)をした後の成長ホルモンとテストステロンの分泌量を調べました。

参加者は少なくとも週2回以上6ヵ月間のレジスタンストレーニングを継続していてスクワットを定期的に行っている人たちが対象。

初期の負荷は1-RMの80%に設定され10回6セットを行い、完了できなかった場合はバックスポッター(後ろから支えてサポート)やサイドスポッター(横からサポート)によってセットを完了させたとのこと。

血液検査は、トレーニング前(PRE)、トレーニング直後(IP)、15分後(P15)、30分後(P30)の計4回。

成長ホルモンはどうなったか?

成長ホルモンの結果は以下のグラフの通り。

●がスクワットで○がレッグプレスの結果。レッグプレスよりもスクワットの方が成長ホルモンが2倍以上分泌されていることが分かります。

テストステロンはどうなったか?

テストステロンの結果は以下の通り。

こちらもレッグプレスよりもスクワットの方がより多く分泌されていることが分かります。

以上の結果から、成長ホルモンやテストステロンのような同化ホルモンは、レッグプレス(マシーントレーニング)よりスクワット(フリーウェイトトレーニング)の方がより多く産生されることが示唆されます。

なぜこのような違いが出るのか?

スクワットでもレッグプレスでも、同じようにセット数をこなしたのにも関わらず、なぜこのように同化ホルモンの分泌に違いがあらわれたのでしょうか?

研究者らがこれらのトレーニングでの実際の仕事量を計算してみたところ、以下のような計算結果になりました。

上段がスクワット(SQ)、下段がレッグプレス(LP)。

一番左が1RM(ギリギリ一回できる最大負荷)。二個目は1RMに体重を加えた値(1-RM(kg) including body mass)。負荷の重量自体はレッグプレスの方が大きかったことが分かります。

しかし、三つ目(Vertical displacement(m))ではスクワットの方が大きくなっています。これは垂直方向への移動距離。レッグプレスでは斜めに足を延ばす分、垂直方向の距離がスクワットよりも小さくなります。

そして、ここから負荷に対する仕事量(Total work for external load(J))を求めると二者はほぼ等しくなり、さらにこれに体重を加えた値(Total work including body mass(J))では、スクワットの方が42%も高くなるという結果になります。

計算上では同じ負荷を与えた筋トレを比較したことになりますが、実際の消費エネルギーはスクワットの方が大きく、可動域や使用する筋肉の範囲を比較してもスクワットの方が大きくなることが同化ホルモンの分泌を促進したのだろうと研究者らは述べています。

さらに、より多くのホルモン反応を誘発するためにトレーニングの専門家はマシーントレーニングよりもフリーウェイトトレーニングを選択することを検討すべきだと纏めています。

まとめ

一般的にマシーントレーニングよりもフリーウェイトトレーニングの方が筋肉の成長が早いと言われていますが、それに対する一つのエビデンスだと言えます。

フリーウェイトトレーニングでは目的の筋肉を使うだけでなく、フォームやバランスを維持するために使われるエネルギー量が多くなるため産生される同化ホルモンも多くなるということのようです。

ただマシーントレーニングには、あまりフォームを気にする必要がなく初心者には目的の筋肉に集中することができる、怪我をしにくいなどのメリットもあります。また今回の実験ではレッグプレスとスクワットの比較ですが、マシーントレーニングでも可動域の制限がすくない種目ではここまでの差は出てこないのかもしれません。

そのあたりは臨機応変に選択すればよいのではないかと思います。

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Reference

[1]https://journals.lww.com/nsca-jscr/Fulltext/2014/04000/The_Acute_Hormonal_Response_to_Free_Weight_and.22.aspx

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