子供を肥満・不健康にする親の特徴

子供を肥満・不健康にする親の特徴
子供を肥満にする親の特徴

子供の好き嫌いや偏食の原因は環境的・経験的要因が非常に強く関連しているということを紹介してきましたが、言い換えれば最も身近な親の考え方や振る舞いが子供の食の嗜好を形成する最も大きな要因となっているということになります。

ある調査によると、好き嫌いや偏食を持つ子供の親ほど「子どもの偏食は子供の特性であり自分ではどうすることもできない」と強く考えていることが分かっていて[1]、こうした親の考えが子供の偏食を益々助長している場合もあるようです。

ところで、親の食に対する「しつけ方」によって、子どもが肥満(不健康)になりやすくなったりすることが様々な研究から明らかになっています。

ここでは子どもを最も肥満(不健康)にしやすい親について考察してみます。

sponsored link

子供を肥満にしやすい親はどのタイプ?

発達心理学者Diana Baumrindは、未就学児の行動パターンと親のインタビューから、子育てのスタイルを権威型、独裁型、許容型の3つに分類しました[*]。そこからさらに、MaccobyとMartinは許容型を放任型と溺愛型の二つに分類し、2次元的な子育てスタイルモデルを構築しました[*]。

  • 放任型 – 子供への要求が少なく、反応も少ない
  • 溺愛型 – 子供への要求が少ないが、反応は強い
  • 独裁型 – 子供への要求は多いが、反応は少ない
  • 権威型 – 子供への要求が多く、反応も強い
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0195666304001229?via%3Dihub

このような分類はバウムリンダの育児スタイル、またはマコビーとマーティンの育児スタイルと呼ばれることがあります。

もう少し詳しく解説します。

放任型

放任型は食(栄養やマナーなど)に関心がなく子どもへの要求も少ないタイプの親です。

食事だけでなく育児自体にあまり関心がなく、子供をほったらかしにして育てようとします。食卓には加工食品が並ぶことが多く、外食も非常に多いのが特徴です。

このタイプの親の子どもは、高カロリーの食品を好み肥満になりやすい傾向があることが分かっています。[7]

溺愛型

溺愛型の親は子どもの要求に応じて、食べたいときに食べたいだけ食べさせます。これを食べなさい、あれを食べちゃダメとか言うこともありません。

このタイプの親の子供も放任型と同様に非常に肥満になりやすいことが分かっています。

約40家族を調べた研究では、溺愛型の親の子どもは、親の肥満因子を取り除いても体重変化の要因の26%を占めていることが分かりました。[7]

別の383家族を調べた研究でもやはりこのタイプの親の子供が太りやすいことを示しています。[8]

実はこのタイプの親がアメリカでは一番多く全体の1/3に及ぶと言われています。私が知る限りでは、韓国人もこのタイプの親が多いような気がします。(実際に韓国でも子供の肥満が問題となってきている[9])

日本はどうでしょう?

独裁型

独裁型の親は自分が考える正しい食事のために子供に多くの要求をし子どもの感情や反応に注意を払わないタイプです。

好き嫌いがあっても食べることを強要し、残さず食べる(Clean Plate Club)ように強要します。

意外に思われるかもしれませんが、実はこのタイプの親の子供が全てのタイプの中で最も肥満になりやすいことが分かっています。

アメリカの子ども達1000人を出生時から4歳まで追跡した結果では、小学校に入るまでに他のタイプの親の子供達より5倍太りやすかったとのこと。[10]

独裁型の最もよくない影響は、子供達が自分で満腹感や空腹感を理解できなくなることです。

これに関して、面白い研究があります。

事前に親にアンケートをとって「自分がきちんと管理していないと子ども達はジャンクフードばかり食べるようになる」という質問に5段階(「強くそう思う」から「まったく思わない」まで)で回答してもらい、その後子ども達(192人の非ヒスパニック系の白人の5歳の女の子)に好きなだけおやつを食べてもらうという実験を行いました。

その結果「強くそう思う」と答えた親の子供が最後までお菓子を食べ続けたのだそうです。[11]

さらに、その子らが7歳になった時には一番太っていたというのだから独裁型の悪影響は相当強力なものと言えます。

親の過剰な介入は子どもの正常は判断を失わせ、結果的には肥満を招いてしまうという悲しい結果になります。

権威型

もうお分かりの通り、子ども達が最も健康に育つのは権威型と呼ばれるタイプの親の子供達です。

子ども達への要求も多いが、子ども達の反応をきちんと読み取り、強制的に食べさせたりするようなことはしない。このような親の子ども達は十代になっても野菜と果物を満遍なく食べる傾向があり、太っている子どもも少ないことが分かっています。[7]

Topham GLらが2011年に報告した450人の親とその子どもに行った調査で、権威型の子ども達は怒りを感じた時に食べ物に走らない傾向があったとのこと。[8]

話は変わりますが、心理学者アンジェラ・ダックワースのGRIT「やりぬく力」という本でも同じような親の分類がされており、権威型(この本では「賢明な育て方(厳しい要求をしながら支援を惜しまない)」として分類)の子どもは非認知能力が高く、物事に粘り強く取り組むことが分かっています。

まとめ

親の子育てスタイルは放任型、溺愛型、独裁型、権威型の4つに分類されますが、子供が最も肥満になりやすいのは独裁型の親の子供であると言われています。このような親に育てられた子どもの最も大きな特徴は、空腹感と満腹感を自分でコントロールすることができないこと。

昨今は食品の危険性や様々な食事法が謳われており、より敏感な親たちは独裁型になりがちな環境になってきているようにも思います。あまりこだわり過ぎず、適度な寛容さを兼ね備えておくことが大事だなと思います。

sponsored link

子どもカテゴリの最新記事