耐糖能低下を示す7つの兆候

耐糖能低下を示す7つの兆候

耐糖能低下(インスリン抵抗性の増大、インスリン感受性の低下、膵臓機能低下などひっくるめて)は、健康を手に入れる上で最も最初に改善すべきものだと考えています。

が、実際に血糖値を測りながら自分の耐糖能を観察するのは面倒くさいですし、また健康診断の結果だけでは耐糖能が低下しているのかどうかは判断しにくいこともあります。

一般的には、喉の渇き、頻尿、疲労感、目のかすみなどが境界型で起こりうる症状として知られていますが[0]、それ以外に耐糖能が低下しているとき体にはどのような兆候が表れるのか、まとめて紹介したいと思います。

sponsored link

1.若ハゲ 薄毛

男性型脱毛症(AGA : Androgenic alopecia)や女性男性型脱毛症(Female AGA)などと呼ばれるいわゆる若ハゲ、薄毛の症状はインスリン抵抗性と強い相関があることが分かっています。[1, 2, 3]

こちらの論文[4]では、ステージⅢ以上のAGAを有する全ての男性に早期の検査を勧めています。

ステージⅢのAGAはこちらの絵を参照してください。

AGAのステージ
参照:予防医学のアンファーストア

女性の薄毛に関してもインスリン抵抗性と強い相関があることが分かっています。[5]

高齢者においても糖尿病患者とAGAの相関はかなり強いようで、AGAが進行した糖尿病患者はそうでない患者に比べて糖尿病および心臓病による死亡リスクが有意に高くなったという報告もあるようです。[6]

最近は、男性も女性も若いにも関わらず髪の毛が薄い人が多くなっていますね。私も長いこと(20代前半から?)抜け毛には悩まされてきましたが、亜鉛サプリやMgサプリを摂っても全く改善しなかったのに、耐糖能を改善させてからはピタりと止まりました。

父も祖父もハゲで糖尿病でしたが、今のところは遺伝に打ち勝っていると言えます(笑)以前、FBのフォロワーさんから聞いた話では、やはり糖尿家系はハゲが多く、そうでない場合は禿げないようです。

たかがハゲ、されどハゲ。

遺伝だと諦めずに、健康のバロメーターとして捉えることも大事なような気がします。

2.虫歯 歯周病

糖尿病患者でなくても、代謝異常だと虫歯や歯周病の罹患率が高くなることが報告されています。[7, 8]

また、口臭とHbA1cのレベルに相関があることも報告されています。[9]

この理由は簡単です。

虫歯や歯周病の原因は何かと問われたら、真っ先に砂糖などの糖質を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、実際は世の中には砂糖を摂っても虫歯になる人とならない人がいます。

なぜかというと、糖質自体が虫歯の原因ではなくて糖質を体内で適切に処理できるかどうか、つまり耐糖能が正常かどうかが虫歯や歯周病に関連してくるからです。こういう理論はあまり語られないですね。

摂取した糖質は腸で吸収され、唾液にも運ばれてきます。耐糖能が低下していると高血糖状態が長く続き、その間ずっと唾液の糖分も残ってしまい、口内が長い間酸性状態に保たれてしまいます。

これが虫歯菌を増やす原因となり、本来歯を修復するはずの唾液が逆に歯を攻撃し続けることになってしまいます。[10]

もし、耐糖能が悪化するような糖質制限で虫歯が予防できると言っている鹿歯科医が居たなら、それこそ歯医者が虫歯を作っていることに他なりません。

逆に耐糖能が正常で摂取した糖をすみやかに処理できる体質なら虫歯にならないことも理解できます。

砂糖や糖質が虫歯や歯周病の原因なのではなく耐糖能異常が虫歯の本当の原因。[11]

こう考えれば、虫歯を怖がって糖質を避けるような無駄な努力もする必要がなくなります。(四六時中糖質を食べてたら虫歯にはなるでしょう)

ちなみに、私も子供達も寝る前に果物を食べて結構な頻度で歯も磨かずに寝てますが、虫歯にはなってません。(ついでにもう一つちなむと、強烈に虫歯にするのはビタミンC(またはビタミンCを含むお菓子・ジュース)です)

3.腹部脂肪

日本人などアジア人に多いのは、非肥満者の糖尿病。[11]

実はBMIや体脂肪率よりも、腹部脂肪(腹回り)こそがインスリン抵抗性を予測する最も強力な指標であると言われています。[12]

つまり、痩せ体型でBMIが低かったとしても、お腹だけポッコリしている体型だと糖尿病のリスクが高くなるということ。

1995年に報告された論文では、BMIや家族の糖尿病歴、妊娠糖尿病歴などの指標よりも腹部脂肪の方がインスリン抵抗性と強い相関あったとのこと。[13]

アフリカ人を対象とした研究でも、内臓脂肪より腹部の皮下脂肪の方が代謝異常と関連していることが分かっています。[14]

逆に腹部脂肪をターゲットにダイエットを試みると、インスリン抵抗性も改善したという報告もあります。[15]

BMIや全身の体脂肪率よりもお腹周りの脂肪の方が、耐糖能に大きく関連していそうなので、ここをターゲットにして運動にとりくむだけでも改善がみられる可能性があります。

4.高フェリチン

このサイトでも鉄の摂り過ぎの危険性については何度か紹介しましたが(こちらこちらなど)、フェリチンとインスリン抵抗性、その後の糖尿病への発展への関連は昔からたくさん報告されてきています。[14,15,16]

恐らく最初に報告されたのは、世界五大医学ジャーナルの一つと言われるBritish Medical Journal (BMJ)に1998年に掲載された論文で、ここからフェリチンと糖尿病の発症率に関する研究が盛んに行われるようになったと思われます。[17]

フェリチンの上昇はインスリン抵抗性の兆候(結果)ではなく原因とみなされているのですが、フェリチンは最近何かと話題なのでここではあえて取り上げておきたいと思います。

高フェリチンと耐糖能低下に関する機序は以下の通りです。

膵臓や肝臓に鉄が蓄積すると、インスリンの合成機能や分泌能力、抽出能力が弱くなり[18,19]、一方で筋肉細胞に鉄が蓄積すると、筋肉細胞が損傷しグルコースの取り込みが減少します。[20]

逆にインスリンは細胞内のトランスフェリン受容体を外在化させる働きがあり、ますます鉄を取り込むようになります。[21]

こうして始めは高フェリチンが高インスリンを呼び、高インスリンが高フェリチンを呼び、そして次第に膵臓機能が低下し耐糖能悪化の一途を辿っていくことになります。

過剰なフェリチンは鉄過剰症という突発的な症状を引き起こすのではなくじわじわと身体を蝕んでいきます。

じゃあ、上がりすぎたフェリチンはどうすればいいのか?

最も簡単なのは、採血や献血です。

頻繁に献血に行く人はインスリン感受性が高いだけでなく、健康な人でさえも献血に通い始めることによってインスリン感受性が改善するという報告があります。[22]

別の研究では、健常者に献血をさせフェリチンを約半分に減少させたところ、インスリン感受性は40%増加したとのこと。[23]

電子伝達系の補酵素に鉄が必要だからフェリチンを高めてATPを量産しよう!なんて考えて鉄サプリを飲み続けていると、逆にATPの産生が低下しますのでご注意を。

5.勃起不全

これは男性の場合ですが(わざわざ言わなくてもいいのですが)、勃起不全(ED:Erectile dysfunction)はインスリン抵抗性の前兆であると言われています。[21]

勃起不全に関して様々なリスクファクターが考えられていますが、その中でも最も高いのがインスリン抵抗性だと言われてます。[22]

ちなみに女性に関しては、性欲の低下、性的刺激の減少、オーガズムに到達できないなどの問題が生じるようです。[23]

パートナーが相手してくれないという場合は、パートナーの耐糖能を改善させてあげることが解決策になるかもしれません。

6.ニキビ 吹き出物

ニキビや顔の吹き出物もインスリン抵抗性が原因であると言われています。[24,25]

ニキビはアンドロゲン依存性疾患の一つとして認識されていますが、実際は血漿アンドロゲンレベルとはあまり関係がなく、血中の成長ホルモン(GH)やインスリン様成長因子1(IGF-1)レベルに関連していることが分かっています。[26]

特にIGF-1の増加は男性でも女性でもニキビの発症に強く相関があります。[27,28]

IGH-1とインスリンは皮脂腺の脂質生成を刺激させニキビの発生を促進させます。またインスリンは肝臓から産生されるIGF-1の刺激因子でもあるため、高インスリンが最もニキビの発生に影響を与えるということになります。[29]

こう書いてしまうと、高インスリンを避けるために糖質制限をした方が良いのではないかと思われるかもしれませんが、問題は高インスリン状態になってしまうような状態、つまり高血糖状態の持続、耐糖能の低下が問題だということになります。

インスリンにはインスリンの重要な役割があるので、ニキビや吹き出物という側面だけを見てインスリンを下げようとするのは、ニキビ薬を塗ってる程度の対症療法でしかありません。

一方で、牛乳はIGF-1の血清レベルを直接高めるので、すでにニキビや吹き出物に悩まされている場合は控える方がよいと言えます。[30,31,32,33]

7.鬱

最後はうつ病です。

特に女性の場合は、うつとインスリン抵抗性に相関があることが報告されています[34] (この研究では男性はCRPの上昇に関連しているとされている)。しかし別の研究では、抑うつ障害を持つ男性はインスリン抵抗性の増加率が13.2%高く、女性では6.1%高くなっていることも報告されています。[35]

アルコールや喫煙などの身体的要因と、離婚、失業、労働ストレス、教育不足、貧困などの心理社会的および社会経済的要因などによって、HPA軸(視床下部-下垂体-副腎系が慢性的に活性化すると言われています。ある研究では、HPA軸の活性化が持続すると、コルチゾールの増加とともに腹部脂肪蓄積やインスリン抵抗性を含む有害な代謝指標の悪化が持続することが報告されています。[36]

私も大学院生時代にうつを経験しましたが、当時は朝から晩までずっとチョコレートを食べてました。多分耐糖能が低下しまくってて、ずっとエネルギー不足だったんだろうなと思います。

何となく毎日やる気が出ない、学校や仕事に行きたくないという場合には耐糖能改善から取り組んでみるのも良いかもしれません。身体がエネルギー不足では何もできませんしね。

まとめ

普段見過ごしがちな体からのサインが実は耐糖能低下(インスリン抵抗性)と関連しているかもよ、という話でした。

耐糖能改善はこちらを参照してください。3か月ほどで効果が得られると思います。食べ物に悩まなくなります。

sponsored link

Reference

ダイエットカテゴリの最新記事