長生きするために必要な4つの生活習慣-世界のブルーゾーン(長寿村)を調査して分かったこと

長生きするために必要な4つの生活習慣-世界のブルーゾーン(長寿村)を調査して分かったこと

The Blue Zonesの著者でNational Geographicの探検家でもあるDan Buettnerとその研究チームが、世界の5つのブルーゾーンを調査し、これらの地域の人々の生活習慣から長く健康に生きるためのヒントを見つけ出しました。

ブルーゾーン(Blue zone)とは、そこに住む人々が他の地域よりもはるかに長生きする地域のことを言います。この言葉を最初に使ったのが、Dan Buetterです。

彼のTED動画がこちらです。非常に話がうまく面白いです。

彼の著書「Blue Zones」の中からブルーゾーンの人々がどのような食生活や生活習慣を行っているのか、そして私たちはブルーゾーンの人々の生活習慣から何をどのように取り入れていくと良いのか考えてみたいと思います。

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世界のブルーゾーンはどこにあるのか?

ブルーゾーンとはセンテナリアン(100歳以上の人)の人が他の地域よりもたくさん住んでいる地域のこと。

研究者たちが地球上で最も長生きする人々を発見した5つのブルーゾーンは以下の地域。

  1. イタリアのサルデーニャ島
  2. ギリシャのイカリア
  3. 日本の沖縄
  4. コスタリカのニコヤ
  5. アメリカカルフォルニア州のローマリンダ

研究者たちはこれらのブルーゾーンの人々の普段の食生活や日常的な態度・考え方を取り入れることによって、少なくとも人生を10年は取り戻すことができるだろうと結論付けています。

また、ブルーゾーンの人々の特徴は、彼らは健康な状態で年齢を重ねており、心臓発作、脳梗塞、ガン、骨粗鬆症、アルツハイマー病および認知症のリスクがアメリカ全土に比べて有意に低いことが明らかになっています。

Buttnerは以下のように述べています。

“The world’s longevity all-stars not only live longer, they also tend to live better. They have strong connections with their family and friends. They’re active. They wake up in the morning knowing that they have a purpose, and the world, in turn, reacts to them in a way that propels them along. An overwhelming majority of them still enjoy life.”

世界の長寿オールスターは、単に長く生きているだけでなく、より良く生きようとする傾向がある。彼らは家族や友人と強い繋がりを持っている。彼らは活動的である。彼らは目的を持っていることを知りながら朝起きる。逆に、世界は彼らを駆り立てる方向に反応する。彼らの圧倒的大多数は、まだ人生を楽しんでいる。

1.ブルーゾーンの人々の食生活

ブルーゾーンのサンテナリアンは、通常ベジタリアンやヴィーガンではありません。しかし、ほとんどの場合、自家製や地元産の食品に依存しており、植物性食品を多く食べる食文化を持っています。これは世界中のブルーゾーンの最も基本的な共通点でもあります。

ブルーゾーンで特に良く食べられている食品

ブルーゾーンで特に良く食べられる食品には以下の物が挙げられます。

  1. 野菜
  2. 果物
  3. ハーブ
  4. ナッツと種
  5. 豆とマメ科の植物
  6. オリーブオイルのような高品質な脂肪
  7. グラスフェッドのヤギミルクや自家製チーズのような高品質な乳製品
  8. ヨーグルト、ケフィア、テンペ、味噌、納豆などの発酵食品
  9. ダーラム小麦や地元で栽培された有機トウモロコシなどの全粒粉

ブルーゾーンの人々のように高い抗酸化食品を多く食べることは、免疫力を高めるだけでなく、空腹シグナルを自然にコントロールできることにも繋がります。その結果、適切な満腹感も知ることができるようになります。

このような食品は、様々な疾患の原因となっている炎症反応を鎮めるのにも役立つと言われています。

また植物性食品は、抗酸化剤、自然の抗がん剤(不溶性食物繊維)、コレステロール低下剤、血栓遮断剤として機能する上に、必須ミネラルを私達の体に届けてくれます。これはブルーゾーンの人々が一般的なアメリカ人の平均よりも心臓発作、脳梗塞、糖尿病、ガンに罹患する率がはるかに少なくなる理由の一つとされています。

動物性タンパク質はどれくらい食べるのか?

ブルーゾーンの人々は肉や動物性食品を完全に避けているわけではありませんが、ほとんどの地域で肉を摂取する頻度は非常に少ないことが分かっています。牛肉は月に数回しか食べないのに対し、羊やヤギのミルク、卵、魚も週に2回程度しか食べません。

ブルーゾーンの人々は、休日やお祭りなどいわゆるハレの日に動物性食品を食べるのが一般的です。

彼らが動物性食品を食べるときは、地元で飼育され、且つグラスフェッドであるものか、野生で捕獲されたものが一般的です。都市部のように抗生物質や成長ホルモンが使われた動物性食品を摂取することはほとんどありません。

私達はブルーゾーンの人々の食事をどのようにして食卓に取り入れればよいでしょうか?

まずは、毎日4-5種類の野菜や果物を取り入れること、ナッツや豆類などのタンパク質や健康な脂肪を含む植物性食品を取り入れたうえで、高品質の動物性食品を食べることだと言えそうです。

もう一つ、ブルーゾーンの人々の食事で最も特徴的なのは、砂糖、農薬、食品添加物の摂取量が一般的なアメリカ人と比較して非常に少ないことです。ただ、甘味を全く使わないわけではなく、時々必要な分だけ自然の甘味料を使うことはあるようです。

一方で、精製された炭水化物や人工的な香料などが摂取されることはほとんどないとのこと。

地元産のワイン(1日あたり1-2杯)やお酒、コーヒーなどのポリフェノールを多く含む飲み物を程よく嗜み、地元産のチーズやフルーツのようなシンプルなデザートと一緒に仲間と楽しみます。

異性化糖を含むジュースやスポーツドリンク、キャンディー、パッケージ化されたお菓子はあまり食べません。

ブルーゾーンの人々はホールフードに対する高い忠誠心を持っており、砂糖をほとんど料理に添加しないことや、低GI値の穀物、植物性食品を中心とした食事内容からいわゆる地中海食に近いことが分かっています。

ブルーゾーンを調査したある研究者は以下ようにまとめています。

to reach successful ageing, it is advisable to follow a diet with low quantity of saturated fat and high amount of fruits and vegetables rich in phytochemicals … their diet is characterized by a high intake of monounsaturated fat, plant proteins, whole grains (fish is not always present), moderate intake of alcohol, and low consumption of red meat, refined grains, and sweets.[1]

適切に歳をとるためには、飽和脂肪酸の少ない食事と植物性化学物質が豊富な果物や野菜を多く食べることが推奨される。彼らの食事は一価不飽和脂肪酸、植物性タンパク質、全粒粉、魚、アルコールの適度な摂取と、赤身肉と精製炭水化物、お菓子の制限が特徴だと言える。

2.肥満にならないための環境と生活習慣

先進国では肥満が大きな問題となっていて、多くの国ではダイエットが推奨されていますが、ブルーゾーンに住むセンテナリアンは誰もダイエットをしていないし、誰も肥満ではないという事実があります。

健康的な食事が彼らを肥満から守る重要な方法の一つであることは間違いありません。しかし面白いこことに、友人や家族が肥満である場合は自分も肥満になるリスクが高まるとう研究が多くあります。実は肥満は伝染病として捉えられていたりします。[2]

ブルーゾーンの人々が肥満にならないのは、自分自身が正しい食生活を行っているだけでなく、周りの人たちもやはり同じような健全な食生活を送っているということも重要な要因の一つであると考えられています。

The Blue Zonesの本には、長く生きるために正しい食事を継続する方法の一つは、世界中の長寿者達が行っている習慣や環境を真似することだと書かれています。すなわち、自分自身の家や環境を設定しなおすことです。

The amount and type of food we eat is usually less a function of feeling full and more a matter of what’s around us. We overeat because of circumstances — friends, family, packages, plates, names, numbers, labels, lights, colors, candles, shapes, smells, distractions, cupboards, and containers.

私達が食べる食品の量や種類は、普通満腹感を感じさせる機能に乏しい。さらに、私たちの周りに何があるのかという問題もある。私達が過食する原因は環境にある。すなわち、友人、家族、パッケージ、プレート、名前、数字、ラベル、ライト、色、ろうそく、形、におい、娯楽、食器棚、容器など。

家を健康的な食品で満たし、誘惑させるものを取り除くこと、そして健康的な食事とおやつを準備するようにすることが重要です。そのうえで友人関係やコミュニティでの付き合い方を再構築することが、砂糖や人工甘味料を使用した加工食品を減らし、健全な食習慣を構築することに役立つだろうと述べています。

過食しない食文化

また、ニコヤ、サルデーニャ、沖縄のセンテナリアンは、食事自体も非常に量が少ないことがことが多く、過食にならないような食文化を持っていることも特徴です。

日本では「腹八分目」という言葉があるように、満腹になる2割手前で食べるのをやめようという伝統的な食文化が存在します。沖縄では、平均的なアメリカン人の約3-4倍ほど野菜を食べ、BMIも18-22の間に一生収まっています。

十分な睡眠

それからもう一つは、睡眠の質の問題も空腹感に影響を及ぼすことが分かっています。[3]

ブルーゾーンの人々は平均して8時間以上の睡眠を取っていることが分かっており、これがストレスや過剰な空腹感に悩まされない要因の一つとなっていると考えられています。

3.日常に楽しくエクササイズ

ブルーゾーンのセンテナリアンは、ジムやフィットネスに通ったり、いわゆる私達がイメージするようなエクササイズを日常的に行っていませんでした。

しかし、彼らの日常には身体的な活動がすでに組み込まれており、よく歩いたり、座ったり立ったりを繰り返す動作であったり、機械を使わずに料理や家事を行ったりします。筋トレをしていなくても筋肉はしっかり維持されており、日常生活のほとんどは自分で行うだけでなく、30歳も年下の人に腕相撲で勝ったり。

また、意図的に運動する場合でも、ヨガや太極拳、スポーツ、友人とのゲームなど娯楽の一環として行っており、楽しみながら体を動かす傾向があります

一方、農業のような身体的に厳しい仕事をしていたり、特に庭仕事を好む人も多いようです。

このようにストレスを感じることの少ない身体的活動は、炎症反応を軽減し、心臓の健康状態の改善や骨や筋肉の維持に役立っており、その結果寿命を延ばすことに繋がると考えられています。

Cardiovascular Prevention and Rehabilitation Centreが2012年に報告した長寿に関する研究結果では、以下のようにまとめられています。

最小限の運動の量と質を維持することは、死亡リスク、特定のガンの発生リスク、骨粗鬆症のリスクを減少し、寿命を延ばすことが多くの研究で示されている。[4]

私達も「運動しなきゃ筋トレしなきゃ」とストレスを感じながら運動するのではなく、楽しく行えるエクササイズを日常に取り入れることが重要だと言えそうです。

4.ストレスを減らすための環境と生活習慣

Buettnerによれば、これが私達のライフスタイルを変える最も強力なものになるだろうと話しています。

健全な社会的コミュニティに属する

ひとつは、自分の身を置く環境を自分の価値観を共有している家族や親しい友人にするということです。

ブルーゾーンの人々は、互いに助け合い、悲しみや怒りなどの感情を共有するコミュニティに属している傾向があります。自分を理解してくれる人たちが自分の周りにたくさんいることが、様々なストレスを軽減することに繋がっていると考えられています。

例えば、沖縄には模合と呼ばれるコミュニティが存在し、お互いのことを話したり、困っているメンバーを助け合ったりする習慣があります。

同様にサルデーニャには、地元のバーで赤ワインを飲んだり、互いにレシピを交換しあったりします。ぶどう栽培や宗教的な儀式を定期的に楽しんだりする習慣もあります。

このように、隣人との深い節度ある付き合いによって社会との健全なつながりを形成しているのがブルーゾーンの特徴であり、このような慣習は寿命を4年から14年延ばすと言われています。

逆に孤独は寿命を短くする最も大きな要因の一つだと言われています。[5]

ちなみにSNSがこの代替になりうるかどうかという研究も現在盛んに行われていて、いまのところ「なりうる」可能性を支持する結果が得られているようです。[6]

家族を大事にする

また、ブルーゾーンの人々はとにかく家族を大事にします。子どもが老いた両親の世話をしたり、逆に老人が幼い子どもの世話をしたり。そもそも、ブルーゾーンには老人保健施設というものが存在しません。老人達は歳を重ねるにつれて、家族における中心的な存在となっていくからです。

日本の「生き甲斐」という言葉に代表されるように、ブルーゾーンの高齢者は日々目的をもって朝目覚め、逆に周囲の人々は老人たちに対し必要性を求めます。

自然とのふれあい

さらに、ブルーゾーンの人々はどんなに忙しくても自然との触れ合いを大事にします。

自然散策をしたり庭仕事をしたりするのが大好きです。気が向いたときにするのではなく、生涯にわたって日常的に行っていることが特徴です。実際に、緑の空間が多いことは早死にのリスクを軽減することも示唆されています。[7]

単に外出する回数が多い高齢者ほど長生きするというデータもあります。[8]

屋外で過ごすことは、脳への効果やストレスや炎症反応の軽減、視力の維持、集中力、抗がん効果、メンタルヘルス改善の効果があるとも言われています。[9]

さいごに

健康のことは健康な人に聞けとはよく言ったもので、これまで私自身、先住民族の食生活を中心に調べてきました。

しかし色々調べていくうちに、私たちのような穀物を主体とした食文化を営む都市部の民族とは、何か根本的に異なるのではないかという考えが徐々に大きくなってきました。

つまり、文明が発達した現代で生きていくためには、先住民族のようなタンパク質脂肪を主体とした食生活ではなく、むしろ先住民族が摂取してこなかった穀物や植物性食品を主体とした食生活が寄与してきたのではないかと考えるようになりました。(さらに、先住民族には特有の遺伝子変異も多く発見されています[10][11][12])

ブルーゾーンは決して都市部のような生活スタイルではないけれも、そこに住む人々の食生活はまさにそのような仮説を十分に反映しており、私たちが穀物や植物性食品中心でも十分長生きできるように進化した人種であることを支持しているように感じます。

Guns Germs and Steelの著者Jared Diamondによれば、人類は単に農業を手に入れただけではなく、農業によって余剰食糧を手に入れたことが人口増加と文明の発展に繋がったと書かかれています。余剰食糧を手に入れるためには環境的な要因が大きく、それが限られた地域でのみ文明が発展したことの説明にもなっています。

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私達はすでにどこにいても余剰食糧を手に入れることができる時代に生きています。が、食に関する様々な情報がある中で、適切な食品を選択することが非常に困難になっています。もしかすると、余剰食糧をうまく利用できれば私たちの身体や脳は現在の可能性を超えてさらに発達させることも可能なのではないかと予想しています。

ブルーゾーンの人々の食生活や生活習慣は現代に生きる私たちに大きなヒントを与えてくれているような気がしています。

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Reference

[*]https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1800389?query=featured_home
[1]http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3412743/
[2]https://www.livescience.com/4542-study-obesity-socially-contagious.html
[3]http://www.health.com/health/condition-article/0,,20232959,00.html
[4]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4229995/
[5]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3871270/
[6]https://www.nytimes.com/2016/11/01/science/facebook-longer-life.html
[7]https://jech.bmj.com/content/63/12/967.long
[8]https://saitokarami.com/to-live-longer-leave-house-every-day/
[9]http://www.businessinsider.com/scientific-benefits-of-nature-outdoors-2016-4#9-immune-system-boost-9
[10]http://science.sciencemag.org/content/349/6254/1343
[11]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22948027
[12]https://newatlas.com/amish-genetic-mutation-lifespan-diabetes/52212/
[13]https://draxe.com/blue-zones/
[14]http://bluezones.com/articles
[15]https://logmi.jp/60014

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