アレを頭に塗ると髪の毛が再生するかも?

アレを頭に塗ると髪の毛が再生するかも?

髪の毛の状態は単に見た目の問題だけに留まらず、様々な疾患の指標になるとも言われています。

最近の報告では若ハゲや白髪の人は心臓病のリスクが5倍高くなるとも言われています。

若ハゲ自体の原因ははっきりと分かっていませんが、多くの研究からインスリン抵抗性(糖尿病)との関連が示されています。

私自身も糖質制限時代には酷い抜け毛に悩まされていて、髪を洗うたびにとんでもない量の髪の毛が抜けていました。正直、諦めていた時期もあったのですが、例の耐糖能改善プログラムを実践してから抜け毛はぴたりと止まり、現在は禿げる気配は全くなくなっています。

今回の論文は、インスリン抵抗性改善のように身体の内面から対処するのではなく、身体の外から対症療法によって改善したという例を紹介します。

糖質制限ではおなじみのアレを使ったら毛が生えたという研究結果です。

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L-カルニチンが髪の毛を再生させるかも?

2007年にJournal of Dermatological Scienceに掲載されたドイツのグループの研究。[1]

被験者はアンドロゲン性脱毛症(いわゆる男性型脱毛症)を持つ21歳から60歳までの男性と女性51人。

二つのグループに分けられ、一方のグループ(25人)にはL-カルニチン溶液を、もう一方のグループ(26人)にはプラセボ(L-カルニチンだけが含まれない同じ溶液)が与えられ、6ヵ月間毎日2回、直接頭に塗るように指示されました。

被験者らの毛髪は、4週間後、12週間後、24週間後に検査されました。

なぜL-カルニチンなのか?

そもそもなぜL-カルニチンなのでしょうか?

実は過去のin vitroの実験(試験管の実験)で、L-カルニチン-L酒石酸を使うことでヒトの毛髪の成長を促進させることできるということが分かったためです。[2]

糖質制限をやったことのある方なら聞いたことがあるかもしれませんが、L-カルニチンは脂肪酸がβ酸化される際に脂肪酸をミトコンドリア内に輸送するという重要な役割を担っています。

つまり、L-カルニチンは脂質代謝において非常に重要な役割を担っています。(だから糖質制限では大事)

成長期の毛髪にエネルギーを十分補給させるために、L-カルニチンを補充すれば毛髪の成長が促進するのではないかという仮説からこの実験は行われたわけですが、予想通り実験室では髪の毛が成長するということが明らかになりました。

[1]の実験はこの結果をもとに人にも適応してみよう(in vivo)、という目的で行われています。

6ヶ月後毛包はどう変化した?

下の結果は被験者たちのHair Follicles(毛包)の数を調べたグラフです。

白がカルニチンを使ったグループ、黒がプラセボのグループです。

Hair Follicles(毛包)とはいわゆる毛穴のこと。

プラセボグループは6カ月の間毛穴の数は全く変わらなかったのに、L-カルニチンを使用したグループは有意に増えていることが分かります。

明らかに違いますねー

次に成長期と休止期の毛髪の割合を見てみます。

と、その前に、毛髪の毛周期について簡単に説明します。[3]

毛周期とは

毛髪に限らず体毛は全ての上の図のようなサイクル(毛周期)で毛が生え代わります。

1. Anagen(成長期)は毛の成長が始まり毛が伸びていきます。

2. Catagen(退行期)になると細胞分裂が止まり毛根が小さくなっていきます。

そして3. Telogen(休止期)になると毛根は完全に退化し、毛は抜け落ちていきます。

多くの場合は抜け落ちる前に次の毛根が誕生し、新しい毛が誕生し4. Early anagen(早期成長期)という段階に移っていきます。

しかし、Anagen(成長期)からTelogen(休止期)までのサイクルが早すぎると、全体的に髪の毛の数が少なくなってしまいます。

被験者たちの毛周期はどうなったか?

6ヶ月後の毛周期の結果がこちらのグラフ。

先ほどと同じく黒がプラセボで、白がL-カルニチンを使用したグループ。

上のグラフはanagen hairsで成長期にある髪の毛の数。下のグラフはtelogen hairsで休止期にある髪の毛の数です。

グラフを見ると明らかなように、プラセボグループではほとんど変化はありませんが、L-カルニチンのグループでは成長期の髪が増え休止期の髪が減ってきていることが分かります。

下の写真はL-カルニチンを使用したある被験者の頭皮の様子ですが、6ヶ月後(B)で明らかに毛髪の密度が高くなっていることが分かります。

研究者らは、6か月間のL-カルニチンの処方によって毛包や成長期の髪を増やす効果がることは明らかになったが、さらにn数を増やして実験を行う必要があり、L-カルニチンを使用した場合の効果とリスクの割合を評価すべきだと纏めています。

まとめ

L-カルニチン溶液を頭に塗るだけで髪の毛が再生する

L-カルニチンが脂質代謝を促進して毛根にエネルギーを補充しまくったと言われれば、確かに非常に理にかなった処方です。アンドロゲン性脱毛症の場合は、皮脂が毛穴にたまっていることもよく指摘されますので、エネルギー源は豊富と言えるのかもしれません。

しかし、未だにこれが商品化されてなかったりするのを考えると何か問題があったりするのか?などと勘ぐってしまいます。

ちなみに、この実験で使われたL-カルニチンは正確にはL-カルニチン-L-酒石酸と呼ばれるもので、普通のL-カルニチンとはちょっと違います。

iHerbではこちらの商品になります。(画像クリックでiHerbサイトに飛びます)

この商品の一カプセルにはL-カルニチン-L-酒石酸が735mg入っています。ついでにパントテン酸も10mg入っているので糖代謝も活性化してくれるのかも(笑)

論文では、water, allantoin, ceteareth-25, perfume, ethanol 96%, Soy lecithinの溶液に2%のL-カルニチン-L-酒石酸を溶かしたものを使用したと書かれているので、この溶液36gに対して一カプセル分のL-カルニチン-L酒石酸を溶かせば2%の論文と同じ溶液を作ることができます。(実験で使用されたプラセボはL-カルニチンL酒石酸が溶かされてない溶液のみ)。

ほとんどはエタノールと水でしょうから他の成分は特に気にしなくてもいいのではないでしょうか。

ただし、頭皮に塗っても健康上の問題はないとは思われますが、本当にやられる場合は自己責任でお願いしますね。

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Reference

[1]http://prdupl02.ynet.co.il/ForumFiles_3/30002376.pdf
[2]https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/j.1600-0625.2007.00611.x
[3]https://datsuo.jp/hair-cycle

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