睡眠不足ではダイエットが上手くいかないのはなぜか?

睡眠不足ではダイエットが上手くいかないのはなぜか?

ダイエットに必要なことと言えば、食事や運動が真っ先に思いつきますが、実はそれと同じくらい大事なものがあります。

それは睡眠です。

睡眠時間が足りないとダイエットが上手くいかないのはなぜなのでしょう?

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睡眠不足では脂肪が燃えにくくなる?

シカゴ大学医学部のグループが2010年に報告した研究から。[1]

35-49歳までの肥満の男女(BMI:25-32kg/m2)10人が被験者として参加しました。

被験者は二つのグループに分けられ、一方のグループは睡眠時間8.5時間で安静時代謝量の90%のエネルギーの食事が2週間与えられ、もう一方のグループは睡眠時間5.5時間で同じく安静代謝量の90%のエネルギーの食事が2週間与えられました。

2週間後、体組成の測定を行った後、今度は睡眠時間8.5時間だったグループが睡眠時間5.5時間で2週間過ごし、睡眠時間5.5時間だったグループが8.5時間で2週間過ごしました。

体重と組成の変化

睡眠時間8.5時間の場合と睡眠時間5.5時間の場合で、体重や体の組成(脂肪量と除脂肪体重)の変化量を比較すると有意な差が現れました。

体重の減少量はどちらも同じ約3.0㎏でしたが、除脂肪体重の減少量(Loss of fat-free mass)つまり筋肉の減少量は8.5時間の場合は平均1.5kgであったのに対し、5.5時間の場合は2.4kgでした。

一方、減ってほしい脂肪の減少量(Loss of fat)に関しては、8.5時間の場合は平均1.4㎏であったのに対し、5.5時間の場合はその約半分の0.6㎏にとどまりました。

これを箱ひげ図にしたのが以下のグラフです。

 

グラフの○が睡眠時間8.5時間で過ごした時のデータ、●が睡眠時間5.5時間で過ごした時のデータ。

Totalの減少量はほぼ同等ですが、脂肪(Fat)では●の方が下に分布しているのに対し、除脂肪量(Fat-free)では逆に○の方が下に分布していることが分かります。

つまり睡眠時間が足りなくなると、除脂肪体重が減って脂肪は減りにくくなってしまうということのようです。

同じ食事制限をしていてもこれほどの差が出るのはびっくりです。

呼吸商の変化

研究者らは2週間のプログラムを過ごした後の被験者らの呼吸商(RQ)についても調べています。

呼吸商とは、単位時間当たりの酸素消費量に対する二酸化炭素の排出量のこと。

これを調べると何が分かるのかというと、脂肪が燃焼しているか糖質が燃焼しているのかをおおよそ判断することができます。

脂肪が優先して燃焼している場合は0.75-0.80程度の値を示し、糖質の利用が高まるにつれ1.0に近づくようになります。

下のグラフは2週間のプログラムが終了した後の、朝食後数時間の被験者らの呼吸商です。

△が睡眠時間8.5時間で2週間過ごした場合、●が5.5時間で2週間過ごした場合。

明らかに●の方が呼吸商が高まっていることが分かります。つまり睡眠時間が短くなると脂肪よりも糖質が主にエネルギー源として使用されているということを示しています。

代謝ホルモンの変化

2週間のプログラム前後での被験者らのレプチンとグレリンの24時間の変化を調べた結果が以下のグラフ。

Aがレプチン、Bがグレリンの一日の変化を表すグラフで、○が実験前、●が実験後を表します。

まずレプチンから見てみると、上に位置する○が実験後には下の方に移動しています。この傾向は8.5時間でも5.5時間でも同様ですが、5.5時間の方が大きく低下していることが分かります。

レプチンは脂肪細胞から産生される強力な満腹シグナルで、食欲と代謝の調節を行う重要なホルモン。

これが少なくなると過食する傾向が出てきやすくなります。

一方、下のグレリンを見てみると、8.5時間では実験の前後でほぼ同等であるのに対し、5.5時間では実験後に大きく上昇していることが分かります。

グレリンとは、胃から産生される空腹感を促すホルモンであり、視床下部に働いて食欲を増進させる働きがあります。これが増えても食欲が高まる傾向があります。

睡眠時間が短い場合、満腹を知らせるレプチンが少なくなり空腹を知らせるグレリンが多くなり、ますます過食したくなる傾向が高まってしまうことが、これらの結果から明らかになっています。

まとめ

睡眠時間が短くなると脂肪が燃焼せず除脂肪体重が減る。

睡眠時間が十分でないと、レプチンが減り、グレリンが増え、過食の欲求が高まりやすくなる。

忙しい現代社会では、ついついおろそかにしがちな睡眠ですが、単に痩せる痩せないの問題だけでなく、食欲や代謝を司るホルモンを適切に制御するためにも重要だということですね。

個人的な経験からも6時間睡眠が続くと体脂肪が増える傾向があると思っています。最低でも7時間は確保したいところ…。

まずは寝よう。

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Reference

[1]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2951287/
[2]https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%91%BC%E5%90%B8%E5%95%86
[3]https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%97%E3%83%81%E3%83%B3
[4]https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%AA%E3%83%B3

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