フードインスリンインデックスFII値1

食物インスリン指数(Food Insulin Index : FII)

これまでは血糖値を上げる食品を摂取した場合にのみ、インスリンが分泌されると認識されていました。そのため、GI値(グリセミック・インデックス(Glycemic Index))という値が血糖値上昇の指標とされてきました。

しかし、実際はタンパク質や脂肪食品を食べてもインスリンが分泌されることが明らかになってきています(参考)。

全粒粉のパスタより白身魚の方がより多くのインスリンを分泌すると言われると、これまでの認識を大きく変える必要が出てきます。単に糖質だけを避けていても膵臓が弱っていく可能性が出てくるからです。

食品がどれくらいのインスリンを分泌するのかについては、食物インスリン指数(Food Insulin Index:FII値)で把握することができます。

これは非糖尿病患者に対し、1000kJ(239kcal)の異なる食品を与え3時間にわたってインスリンの応答を測定して得られる値です。純粋なグルコース(ブドウ糖)を100とし、その食品によって分泌されるインスリン分泌量の割合(グラフが示す面積比)によって決定されます。

様々な食品で調べたインスリン分泌量の比較

このようにして得られたFII値と食品の含まれる炭水化物量を横軸にしてプロットすると、下のグラフのような相関関係を見ることができます。

フードインスリンインデックスFII値食物インスリン指数2

これをさらに、横軸をインスリン負荷という値に置き換えるとさらに相関関係ははっきりしてきます。

フードインスリンインデックスFII値食物インスリン指数3

インスリン負荷とは下記の式で定義されます。

インスリン負荷 = 総炭水化物 - 食物繊維 + 0.56 × タンパク質

しかし、グラフを見れば分かるとおり、近似直線から大きくはみ出す食品がかなり存在しています。我々の体は何に反応してインスリンを分泌するのか、まだはっきりと分かっていないことを示しています。

したがってFII値は実験結果を優先し、データが存在しない食材についてはインスリン負荷を計算し、予想されるFII値を算出することになります。

また、インスリン負荷の式に脂肪が含まれていないことからも分かるとおり、脂肪を多く含む食品は必然的にインスリン負荷は小さくなります(=FII値も小さくなる)。

FII値利用の注意点

FII値は各食品の熱量(エネルギー)を基準に測定された値です。

つまりFII値が低くてもたくさん食べればそれだけインスリン分泌量は増えることになります。

ローストチキン400gを食べた場合

例えば、ローストチキンのFII値は17ですが、100gあたりのカロリーは226kcalであるため、400gを食べたとすると摂取カロリーは904kcalとなります。

904kcalはFII値測定基準(239kcal)の3.78倍となりますから、このときのFII値は単純計算で

17×3.78=64.3

となります。

全粒パスタ100gを食べた場合

一方、全粒パスタのFII値は29。

全粒粉のカロリーで見ると100gあたり328kcalですから、100gの全粒パスタのFII値は単純計算で、

328÷239×29 = 39.8

となります。

比較

これらを比較してみると、

ローストチキン400g : FII 64.3
全粒パスタ100g : FII 39.8

となります。

 

つまり、食べる量によってインスリン分泌量は大きく変動するため、場合によっては糖質よりもタンパク質の方がインスリン分泌量が多くなる可能性も出てきます(単純な掛け算で量が決められる仮定した場合です)。

ここがFII値を利用する際の注意点です。

まとめ

インスリン分泌量は食品に含まれる炭水化物量や血糖値上昇量では決まらないため、インスリンコントロールが必要な方はFII値を利用して食品を選択すれば、これまでの糖質制限よりも確実にインスリン分泌量を管理することができます。

基本的には脂肪を多く含む食品はFII値が低く、炭水化物、タンパク質を多く含む食品はFII値が大きくなります。

しかし、FII値はカロリーを基準にして測定されているため、食べる量によっては値が大きく変動するので注意が必要です。

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付録

シドニー大学の研究室がまとめた様々な食品のFII値データです。多くの食品でGI値とは相関がないことが分かります。(著作権侵害の指摘を受けたので削除致しました。代わりにリンクを貼ります)

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