インスリン抵抗性

インスリン抵抗性という言葉を聞いてもなんだかよく分からないという声をよく聞くので、インスリン抵抗性がどういうものなのかあらためて考えてみたいと思います。

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誰が何に抵抗しているのか?

そもそも抵抗性という言葉がイメージを掴みにくくしているように思います。

誰が何に抵抗しいているのか、いまいちよく分かりません。

医学の世界で使われる抵抗性とは、細胞や組織が様々なホルモンや物質、病原体の機能の受け取りを拒否している状態つまり本来働くはずの機能がストップしてしまうことを抵抗性といいます。

そこで「抵抗性」を「拒否」という言葉に変えてみます。

インスリン抵抗性 → インスリンの受け取り拒否
(インスリンの機能が効かなくなること)

レプチン抵抗性 → レプチンの受け取り拒否
(レプチンの機能が効かなくなること)

薬剤抵抗性 → 薬剤の受け取り拒否
(薬剤が効かなくなること)

どうでしょう?

一般人の私たちにはこちらの方がイメージしやすいのではないでしょうか。

インスリン抵抗性の本質

インスリンは血液中に増えすぎたグルコース(ブドウ糖)を、肝臓や筋肉に取り込ませるのを促進するホルモンです。

インスリンが機能することによって、上がりすぎた血糖値が正常に戻ります。

したがって、インスリン抵抗性とは血液中のグルコースが肝臓や筋肉細胞に取り込まれない状態、つまり血糖値が下がりにくい状態であると言えます。

ところで、インスリン抵抗性はなぜ発現するのでしょうか?

これを理解するために、家にセールスマンがやってくるシチュエーションで考えてみたいと思います。

家にセールスマンがやってくる

平日のお昼、主婦が家にいるときにセールスマンがやってきたとします。

最初は疑いなくドアを開けて対応します。

商品が気に入れば購入するかもしれませんし、気に入らなければ話を聞くだけで終わります。

しかし、徐々にその地域にやってくるセールスマンの数が増えて、毎日訪ねてくるようになると、さすがに昼間の主婦でも対応するのが面倒になってきます。時間も取られるし、余計な物を買ってしまうかもしれない。

そうすると家事も進まない。余計な出費も増える。

いろんな問題が起こりかねません。

そこで対策として、セールスマンがやってきてもドアをあけずにインターホンで「結構です」と断るようになります。

しかし、きっと他の家でもこれと同じように対応するはずです。すると、表の通りには行き場を失ったセールスマンで溢れてしまいます。

このような問題がこの地域で起こった場合、自治会ではどのような対策を講じるでしょうか?

1.街興しをして世帯数を増やす

世帯数が増えれば行き場を失ったセールスマンも行動範囲が広がって分散します。その結果、家にやってくるセールスマンの数は相対的に減ります。

2.セールスマンの数を減らす

そもそもセールスマンの人数が多すぎるというのが問題です。

セールスマンの数が減って、例えば月に一回くらいの訪問だったら、昼間の主婦もドアを開けて対応してくれるようになるかもしれない。

インスリン抵抗性の本質

さてここまでの話がインスリン抵抗性のメカニズムそのものになります。

それぞれの役割は、

セールスマン インスリン
売り物 グルコース
細胞
主婦 ミトコンドリア
家のドア 受容体(GLUT)

となります。

セールスマン(インスリン)が時々やってくる場合は、主婦(ミトコンドリア)は売り物(グルコース)を受け取りますが、それが継続してやってくると、家(細胞)のドアの鍵(受容体)を締めることによって、「拒否」つまり「抵抗性」の意思を表示するようになります。

これがインスリン抵抗性です。

町全体(身体)で全ての家(細胞)が同じように対応すると、セールスマン(インスリン(ブドウ糖))が行き場をなくし(高血糖状態となり)、これが継続するとセールスマンの親会社が倒産(インスリンを分泌する膵臓が疲弊)します。

これが2型糖尿病です。

インスリン抵抗性に対して、自治会が提案した一つ目の対策、「町興しをして世帯(細胞)を増やすこと」は、筋トレによって筋肉(細胞)を増やすことに相当します。

一方、二つ目の「セールスマン(インスリン(ブドウ糖))を減らすこと」は、糖質制限によって血糖値上昇を抑え追加インスリン分泌を減らすことになります。

対策としてはどちらが効果があるでしょうか?

どちらも効果はあります。

しかし、まずはセールスマンの数を減らすことが先じゃないかと私は考えます。

世帯を増やしても根本的な解決にはなりませんし、家(細胞)を建てる時間もかかります。

つまり食事から変えていくことが最初の解決方法になります。

インスリン抵抗性は悪いことなのか?

この話には続きがあります。

インスリン抵抗性の先に2型糖尿病があるとすると、インスリン抵抗性は悪いことだと考えてしまいます。

しかし、実はインスリン抵抗性は身体を守るために発現しています

なぜなら、来るもの拒まずでセールスマンに対応したら家の機能はストップするし、セールスマンの言われるがまま売り物を買い続けてたら破産することだってありえます。

頻繁にやってくるセールスマンに対し「ドアを開けない」という対応は、自分の時間や家庭を守るためにやってるわけです。つまり家庭の平穏を保つためにやってるわけです。

この機能はホメオスタシス(恒常性)とよばれており、ヒトの身体は昼間の主婦と同じようにできるだけ平穏を保つように設計されています。

インスリン抵抗性は、溢れすぎたインスリンから身を守るために発現しているので、インスリン抵抗性自体が悪いのではなく、溢れすぎたインスリンが悪いのです。

そして、インスリンは糖質だけではなく、タンパク質などあらゆる食品からも分泌されます。

溢れすぎたインスリンを減らすには、糖質制限だけでなく食べない時間を作ること、つまり間欠的ファスティングと合わせることによって改善することができると言われています。

インスリン抵抗性を持たない人の特徴

しかし、中にはドアを開けっ放しの主婦もいます。インスリン抵抗性を全く持たない人です。

この家に住む主婦は性格も陽気ですぐにセールスマンを玄関に入れては、頻繁に商品を買っちゃいます。

するとどうなるでしょうか?

セールスマンが売りさばいているのは、グルコースと呼ばれる砂糖でできた壺です。

この壺を買い続けると家は破産し、借金を背負うことになります。

実はこの状態がガンです。

ガン細胞はこのように大量のグルコースを処理するために、正常な細胞が変態したものなのです。

インスリン抵抗性を持たない人(痩せの大食い)が「ガン体質」と言われるのはこのような理由です。

インスリン抵抗性がなくなれば、確かに糖質を食べても太りにくくなります。

しかし、自分は太らない体質だと過信して糖質過多の食生活をし続けていると、細胞の中は壺(グルコース)で溢れかえりガンになります。

インスリン抵抗性はあったの方がいいのか?

じゃあ少しは抵抗性を持っていた方がいいのか??

そうではありません。

インスリン抵抗性の有無関わらず、ガンにも2型糖尿病にならないためには糖質制限は基本的に継続したほうがよいということになります。

まとめ

  1. インスリン抵抗性は、グルコースの細胞への取り込みという機能を細胞が拒否している状態
  2. これはインスリンの分泌が頻繁におこり、インスリンが血液中に溢れすぎているために、体のホメオスタシスの機能によって発現する
  3. これを改善するには、糖質制限と間欠的ファスティングが有効

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Reference

The Obesity Code: Unlocking the Secrets of Weight Loss

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